パリティ社が提供する仮想通貨イーサリアムのウォレットにバグがあり、何億ドルものETHを保有したままウォレット内の取引が凍結されていた問題がありました。回復するための復活案が論議されていましたが却下されました。
イーサ凍結ウォレットの復活案が52.6%反対する投票
何億ドルものETHを保有し凍結しているイーサウォレットを回復するために設計された改善提案(EIP)に関する議論が熱くなっていました。しかし、1週間におよぶ投票の結果否決。
提案は、現在の価格換算で約393億円相当の513774.16ETHを保有する587個のウォレットアクセスを取り戻すために、1つの機能不全のコントラクトを復活させようとするものでした。
4月4日に提出された凍結イーサリアムに関する提案は、パリティ・テクノロジーズの開発者であるAfri Schoedonによって書かれたEIP-999で、影響を受けたマルチシグウォレットのオーナーたちが、自分の資産にアクセスできるようにする修正プログラム。復活させることを提案するものでしたが、反対330票、賛成300票、どちらでも構わない9票という結果になり、結論はこの案に否決となりました。
今回のバグは、ある行動をすると、パリティのマルチシグ・ライブラリのオーナーになることができるというもの。昨年11月にパリティ・ウォレットのユーザーが脆弱性を偶然気づき、マルチシグライブラリを消失させ、ウォレットの機能が停止したと伝えらえれています。また、これだけではなく、それ以前である17年7月にも、パリティの脆弱性によりETHがハッキングされています。

こうした議論を、以前より仮想通貨に関心をもってきたユーザーなら覚えているのではないでしょうか。16年6月におこったDAOハッキング事件から議論が広げられてきました。失ったり「盗まれたり」した資金をユーザーに復活させるのでしょうか。またブロックチェーンの不易性を維持するかについての議論も盛んになっていました。
そして、記憶をたどるとでてくるイーサリアムクラッシックへの分裂騒動。ユーザーの資金を復活させるためのフォークは、いかなる場合もダメだというユーザーたちより、ハッカーの資産を維持するイーサリアムクラシックの分割へと動いた経緯があるのです。仮想通貨の歴史は他の市場に比べれば短いものですが、通貨の誕生には全てが同じとはいえない事実が残されているのです。
参考資料:CCN、cointelegraph
https://www.ccn.com/330-million-eip-999-stokes-debate-over-eth-frozen-by-paritys-contract-bug/
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