中国ではとてつもない情報・データとの取引が発生しており、法人(企業)や個人を問わず、あらゆるデータに需要が発生しています。そんな市場へ着目したのがGX-Sharesというトークンを発行しているGXCHainについて今回はお伝えします!
2017年11月28日更新:GXB社は社名を今後GXChainという呼び名に統一していくようです。記事の内容もGXBからGXChainに変更しています。
GX-Sharesとは?
GXChainというプロジェクトは日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、実はすでに中国で実社会に実装されたブロックチェーンサービスであり、リアルタイムでその取引の様子をオンライン上で確認することができます。

GXB-Explorer より
同プロジェクトはデータ取引業界の課題を解決するために開発されたプラットフォームであり、非常にマーケット規模が大きいものです。GX-Sharesとはあくまでトークン名ですが、本来はGXChainと言われる企業です。
まず最初にみなさんが整理しなければいけないことは、GXChainとGX-Sharesの違いです。あくまで、GX-SharesのGXSはトークン名であってサービス名ではありません。サービス名はGXChainです。
2.データ市場向けに商用化
もともと中国ではみなさんが想像している通り、情報に対して非常にルーズな一面がありました。たとえば、著作権(コピーライト)の問題や、個人情報、企業が扱う情報への改ざんなどです。

とはいえデータの取引量は非常に多く、その市場規模は大きいです。
このデータ取引における市場と、中国の情報に対するあり方へのソリューションを提供したのがGXBです。
3.GXCHainについて
GXChainは2017年9月24日に一般公開されるとほぼ同時に商用化されました。商用化されるまでの3ヶ月間、他の企業との協力をし、システムがしっかりと機能するかどうかを確認・テストしています。

GXChainというプラットフォームではGX-COINというものがプラットフォーム内で使用されています。(のちに5のGXコインとGXトークンの違いについて説明します)
プラットフォーム内ではGXChain社が情報を管理しているわけではなく、あくまで情報は、”情報を所有する企業”によって独自に管理されています。

たとえばA会社のもつ情報をB会社に送る場合、いつその取引がなされたか、ということです。情報自体の中身にGXChainが関わるわけではありません。
さらに、プラットフォーム内には誰でも参加できるわけではありません。プラットフォームはあくまでGXChainと契約することが大条件です。
4.なぜGXCHainが立ち上がったのか
中国ではもともと「情報」というものを誰もが買うことができました。しかし、先ほど述べたように中国では情報に関する取り扱い意識がお世辞にも良いと言える環境ではなく、仲介会社による搾取が頻繁に起こされていたという事実があります。

ここで具体例を実際にあげてみます。
X大学を卒業したばかりのAさんがいたとします。AさんはZ会社に就職しようと考え、面接を受けることになったとしましょう。そして情報を販売するY会社がいたとします。
Z会社は”Aさんの情報”をX大学に請求します。仮にX大学が1万円でZ会社へ売ったとしましょう。
Z会社はAさんの情報を無事に仕入れましたが、その後Aさんが転職を考えた際にY会社へ転職をした際にZ会社はY会社へ情報を5000円で売ったとします。

しかし、本来の正しい情報はX大学にあるにもかかわらず、「Z会社が売る情報」のほうが「安い」ため、Y会社はZ会社から買おうとします。
中国ではこのような問題が起きているのです。この問題の背景があることで「正しい情報」「正当な価格」で売る事ができるX大学には機会費用の損失が発生し、市場が健全ではないことが度々発生するのです。
そこでGXChainが活躍します。GXCHainを使った流れを理解してみましょう。
1.Z会社はGXChainと契約申請を提出する。
2.Z会社はGXChainの契約が完了する
3.Z会社は今後、情報を自由に取引する。
4.もしもZ会社に不正があった場合、Z会社にマイナス評価を与える。
※不正があった場合、企業や個人はZ会社による不正があったという事実をコメントすることができる
5.Z会社は正しい情報を正しく扱い、正当な値段で情報を販売する。
補足:その際、Z会社がマイナスをつけた場合はそのマイナスを回復することはできません。この理由については、「そもそも最初から嘘・不正をしなければマイナス評価はつかないのだから、回復手段をもたせる必要性がない」という考えのようです。
こういったことから、正しい情報を正当な値段で取引できるような環境を整備したのがGXBの素晴らしい点です。
5.GXChain上で取引されるGXコインとGXSトークンの違いは?
GXコインはあくまで中国の「元」と連動しているものです。デジタルで表記されているだけのもので、通帳に記載された数字と考えるとイメージしやすいです。

そのため、「1GXコイン=1元」と考えて間違いはありません。
GXChainと契約している企業が仮に何か情報を売る際は、GXコインで取引をします。
情報を売られる対象のAさんの元には通知が行き、「〜会社があなたの情報を売ろうとしています。承認しますか?」というような通知が発生します。ここで、Aさんは承認をした場合にようやくGXChainと契約している企業はAさんの情報を売る事ができるのです。

その際の取引におけるタイムスタンプ(いつ取引が行われたのか)というものが「GXS」トークンのブロックの中に情報が記録されます。
ここで一旦整理してみましょう。
GXコイン=元と連動した電子マネー
GXS=GXChainと契約した企業が”いつ”、”誰に”売ったのかがトークン情報として記録される。
ここでそれぞれを簡単に整理しましょう。
名前 | 役割 | 機能 |
GX-Chain | プラットフォーム | 信用担保 |
GX-Shares | 取引履歴の保存 | マイニングへ参加可能
独自ウォレットも存在する |
GXコイン | GXChain参加企業同士の支払い | 元と連動した電子マネー |
6.今後の展開
GXChainでは現在、BtoBにおける利用が盛んです。GXChainには現在多数の中国の会社が積極的に参加し、実際に利用されています。中にはUnion Payという中国の大手銀行や、チャイナ・ユニコムという大手通信事業者も参入しています。

しかし、今後は個人が”自分の情報”を相手に開示していけるようアプリを開発しており、年末には公開予定とのことです。
その気になるアプリの内容はこちらです!
中国では顔認証のシステムや、無人コンビニ、電子マネー決済が飛躍的に成長しています。こういった背景には情報の透明性・信頼性がますます盛んになるため、GXChainの利用はますます加速していきそうです。
また、サービス向上のために毎日開発が継続されており、毎週開発レポートを公開しています。企業・ユーザーファーストをしっかりと配慮している点も魅力的なポイントの一つです。
今後もぜひ注目すべきブロックチェーン企業として人気を帯びていくのではないでしょうか。

Xin Cai
今回、記事を書くにあたって協力してくれたのはGXChainでコミュニケーションマネージャーを務めるサイさん。
日本の大阪大学で無線通信の修士号を取得し、有名な通信会社の海外市場でエンジニアを務める。
現在はGXBで国際的なプロジェクト管理を務める。
参考
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