先週は、SegWitエコシステム、つまりSegWit対応コインにとって大きく前進でした週であった。4日という短期間に Litecoinはアトミックスワップにより、Decred、Vertcoin、そして最終的にはBitcoinとの交換に成功した。
2017年9月19日、Litecoinの創設者である Charlie LeeとDecred ProjectのAlexlypは、2.4066 DCRに対して1.337 LTCを交換することに成功。
最初は苦戦したもの、Decredのレポ・ウォレットを通じ、オン・チェーン取引仲介でスワップを完了した。 ライトニングネットワークは、アトミックスワップを実施するには、さらなる進化が必要なため、今回は利用されなかった。(※ライトニングネットワーク=第三者を経由してペイメントチャネルで繋がっている人であれば、誰にでも送金可能となるネットワークシステム)
Did a cross-chain atomic swap with LTC/BTC! 😁
10 LTC for 0.1137 BTC with @JStefanop1. ⛓️⚛️💱https://t.co/vXwTNirk0Jhttps://t.co/3NTplBOoW9 pic.twitter.com/DRKaHg4Wc7— Charlie Lee [LTC] (@SatoshiLite) 2017年9月22日
9月20日の翌日、CharlieはVertcoinのリード開発者であるJames Love Joyとチームを組んで、別のアトミックスワップを実行した。 JamesはDecredのコードをVTCに移植、ポーティングすることができ、今回はつつがなく55 VTCと1 LTCを交換しました。 これもチェーン接続であり、ライトニングネットワークは利用していない。
It worked flawlessly! Thanks @jamesl22! https://t.co/iMd4n4rBYYhttps://t.co/VZE147Pphzhttps://t.co/5zZyauhZAzhttps://t.co/Agj5Nmyite https://t.co/Qh1yanVR8B
— Charlie Lee [LTC] (@SatoshiLite) September 21, 2017
そしてついに、2017年9月22日、CharlieはJohn Sと協力して、LTCとBTCの間でアトミックスワップを実行しました。 2人は上記と同じプロセスに従い、0.1137 BTCに対して10 LTCを首尾よく交換。
https://twitter.com/SatoshiLite/status/911328252928643072?ref_src=twsrc%5Etfw&ref_url=https%3A%2F%2Fcointelegraph.com%2Fnews%2Fsegwit-first-steps-to-ecosystem
アトミックスワップとは?
ひと言うなら、アトミックスワップとは、2つの異なる暗号通貨のピアツーピアエクスチェンジを可能にする技術である。しばしば「クロスチェイン」トランザクションと呼ばれ、マルチシグレットウォレット上でハッシュタイムロック契約(HTLC)を使用し、可能となる。
これを実現するには、LTC用とVTC用の2つの2-2マルチシング・アドレスが必要。まず、両当事者は、それぞれのコインを対応するマルチサインアドレスに送信し、すぐにHTLCで「x」時間ロックします。このシナリオでは、1時間だとしましょう。HTLCでは、1時間が経過すると、コインはオーナーに返却されることも規定されています。これは所有者の保険として機能します。
現在、一方の当事者は1 LTCの支払いチャネルを開き、もう一方は55 VTCの取引を行います。両方の関係者が満足すれば、それぞれのチャンネルに署名してそれらを閉じる。これでAtomic Swapが完了となる。
Lee氏の思い・・さらにアトミックスワップをかみ砕き理解する
2017年5月27日付のCoindeskにアトミックスワップ、ライトニングネットワークについて解説した記事があるので以下紹介したい。
“仮にあなたがある暗号通貨を別のものにトレードしたいとする。そのときあなたはどうするか?自分で信頼できる取引相手の知り合いを探す、あるいは一般的なシナリオ通り、集権的な取引所を経由して交換する。
後者はリスクを伴う。なぜならあなたの資産をブロックチェーンから取り出し、見知らぬ第三者の手に渡すことになるから。仮に取引所がミスしてそのお金を保持できなくなれば、あなたの運はそこで尽きる。
ライトニングネットワーク(元々はビットコインのオフチェーンを用いたスケーリング解決策)では、ある分散型オプションの状態を備えている。そのオプションとは、アトミックスワップと呼ばれ、第三者を必要としないもの。
アトミッククロスチェーンスワップとしても知られるこの技術、取引が完了するまで、一方がもう一方の資産を盗むリスクなく、2つの異なるブロックチェーン上のトークンを保持する2人が直接、かつ即座に取引することを可能とする。
そこが「アトミック=原子」とよばれる所以だ。つまり完璧に取引が成立する、あるいは、取引は全く成立しない、そのどちらかだから。 よって、たとえLightningノードがオフラインになったり、取引が途中で破棄されてしまっても、誰もが自分のお金を取り戻すことができる。
そう説明してくるとアトミックへの期待膨らむところ。しかし、課題が残っている。
アトミックスワップが機能するには、少なくとも2つの異なるブロックチェーンでLightningが起動し、実行する必要がある。現時点で、ライトコインでは始まっている。また。複数のチェーンでも実行される見通し。
現在、いくつかの開発チームがLitecoinのブロックチェーン上でLightningの実装をテストしている。さらに、SegWit(Lightningの前提条件であるプロトコルアップグレード)が、別のブロックチェーン、Vertcoinでアクティブされ、同様にLightningのドアが開かれようとしている。
アトミックスワップに尽力しているLitecoinの創設者Charlie Lee氏によると、あとはLitecoinでLightningを完全運用し、Vertcoinでテスト開始するだけだと言い切っている。これらの手順が完了すると、今年にも最初のアトミックスワップを確認できるかもしれない。
これは、Lee氏がここしばらく思い巡らしていたアイディアだ。彼は、1月にアトミックスワップ計画に関するブログ記事を投稿。そして、2017年の Litecoinロードマップには、LitecoinとVertcoin間のアトミックスワップの計画を明確に記しています”
エコシステムへの重要な第一歩
このテクノロジーの重要なところは、Blockchainテクノロジーの中核となる原則の1つ、つまり中央集権ではない、分権化を推進するという非常にエキサイティングな部分を担うところである。一旦実装されると、アトミックスワップは、同業者が第三者を介さずに2つの異なる暗号通貨を取引することを可能にする。
今回はっきりしたこと。チャールズはDCR、VTC、そしてBTCはSegWitを利用していなかったということ。しかし、このテクノロジーがスケーラブルなアトミックスワップシステムとして完全に機能するためには、ライトニングネットワークを必要となるでしょう。
最後に今一度、要点をまとめる・・・
LTC-DCR、LTC-VTC、およびLTC-BTC間のスワップは、以下の2つの大きな意義深い実績を残した。
- 彼らは実際の暗号通貨で行った、テストネットコインで行ったのではないはない、という点
- これは、SegWitエコシステム内におけるさらなるアトミックスワップの概念実証として重要な第一歩を象徴したという点
参考元:Cointeregraph、Coindesk
https://cointelegraph.com/news/segwit-first-steps-to-ecosystem
Cross Blockchain Trades? Lightning Gives New Life to Atomic Swaps
LINE@で情報配信中!
