【わかりやすく解説】Bitcoinの動向は結局のところどうなっているのか

ここしばらくの間、数多くのBitcoin市場への参加者らがBitcoinがハードフォークするのか、ソフトフォークへ移行するのか、結局のところどうなるのかについて、ここ最近の流れについてまとめていきます。

 

 

1.HF・SG・Segwitについて

 

そもそも、今回の一連の流れを理解する前に、

 

「ハードフォークとは?」

「ソフトフォークとは?」

 

という方もいらっしゃると思います。

ざっくり簡単にお伝えすると、

HF→情報を入れるための箱を大きくする

SF→格納されている情報を圧縮する

Segwit→情報の一部分を別管理にすること。ソフトフォークとして実装する。

というものです。以下の記事にて、図を記載して説明しています。気になる方はぜひご覧ください。

ソフトフォークとハードフォークって何がどう違うの!?【8月1日に備えて3分で簡単に理解!】

2017.06.28

 

2.これまでの流れ

 

今年の3月までに起こった流れを確認してきましょう。

ビットコインは今年に入って急速に知名度をあげ、多くの人に認識されるようになり、大手の企業も「Bitcoin決済」に着目するようになりました。事例をあげるのであれば、ビックカメラや、Peach航空などが日本では注目されています。

すると、ビットコインネットワークへの参加者が急激に増え、本来は送金に10分かかるものが、それ以上にかかるようになってしまいました。これが俗に言う「スケーラビリティ問題」です。これでは全くビットコイン自体の「決済」という目的を果たせないため、使い物にならなく、ユーザーが離れてしまう可能性が大きくなります。

 

そのため、ビットコインをどうしたらより良いものにすることができるか、「マイナー(採掘者)」と呼ばれる人たちにより様々な議論が交わされるようになった結果に提案されたのが、

Segwitです。

 

しかし、ビットコインのマイナー間でもまだまだ議論が交わされており、マイニングの力を大きく持つ、いわゆる「大株主」のような存在が異を唱えます。それが

「Bitcoin Unlimited」派(ハードフォーク派)と呼ばれる人々です。(今回、こちらの記事ではBTUと表現します)

 

BTU派はマイニングに必要な「ハッシュパワー」と呼ばれる力を強く持っているので、実力行使で自分たちの好き勝手にやろうと「ハードフォーク」を実行しようと試みます。Segwitを実行しようとする人たち、つまり「Bitcoin Core」派と対立する流れが生まれてしまいます。

 

当然ですが、「強固な力」をもったBTU派は自分たちの力にモノを言わせ、BTUの採掘を始めてしまいましたが、実際に蓋を開けてみると「使い物にならないモノ」という指摘をBitcoin Core派から受けてしまいます。

大株主(のような存在)であるBTU派は、マイニング時の報酬であるおよそ12BTCを得られるはずでしたが、当然ながらそれが手に入らないことになり、取引所からも「ユーザーを混乱させるようなことを勝手に実行するな」という指摘を受けてしまいます。

 

当然、取引所が「BTUを取り扱いません」といえば、その価値を認める人は限りなく少数(下手をすればゼロ)になってしまうので、これで強硬手段を実行することがBTU派はできなくなってしまいました。

 

そこで、Bitcoin Core派と取引所は分裂が発生しない(ハードフォークを実行してしまうと、互換性のない通貨となってしまう)「Segwit」を支持する流れが生まれました。

 

ここまでを一旦整理すると、

BTU派(ハードフォーク派:マイニングの実行力を強く持った人たち)

  VS

Bitcoin Core連合(取引所・その他マイナー)

 

という流れを理解していただけましたでしょうか?ここまでの流れが「2017年3月」までに起きた内容です。

 

春から7月23日までの流れ

 

それでは、それ以降の流れについて追っていきましょう。ビットコインの理念をより実現したものにするために、より安全・安心にスケーラビリティ問題を解決するためには「Segwit」が有効ではないかという説が強まります。

 

Segwitを拒む理由が一体なんなのか、Bitcoin Core派はそこまで理解していませんでしたが、今年の春にそれが発覚します。それが

ASIC BOOSTです

※簡単に説明すると、Bitmainという会社が製造しているマイニングマシンであり、現在では世界の7割もの生産をしています。そのマイニングマシンに搭載された特許技術で、ビットコインの計算をより高速化することができます。

 

 

このASICBOOSTは「Segwit」に対応していないということが判明しました。つまり、今までマイニングで大きな力を持っていたBitmain社は当然ながらそのASICにおける製造・販売利益が減少することが目に見えており、事実上「利権」と化していたものが崩れることとなります。

 

 


※もっと詳しく理解したい方はBitcoin研究所の記事をご覧ください。

以下、Bitcoin研究所の大石さんによる記事です。

BITMAIN社のANTマイニングハードウェアにバックドアがあることが指摘された。

このバックドアを利用すると、BITMAIN社が任意のANTマイニングマシンをリモートで停止させることができる。50%に及ぶハッシュパワーが一瞬で停止する自体も想定出来るとしている。


 

 

BTU派が反対するのは、自分たちの利権を失うことを恐れいていたために、HFを推奨していたといっても過言ではありません。ですが、BTU派の言い分としては「Boostの機能は使っていない」という主張を展開します。

 

何が問題なのか

ビットコインは「公平性を保つ」というコンセプトを掲げているにも関わらず、それが事実上1社にマイニングの力が偏ってしまえば、「分散型」ではなく「中央集権化」してもおかしくはありません。そこで、Bitcoinの理念をより良い形で築港しようと、Bitcoin Core派が今度は「Segwit」をUASFとして実行することを試みます。(UASF=User Active Soft Forkの略、つまりユーザー主導による実力行使です)

 

しかし、またここで3月の流れと同じように、Unlimited派 対 Core派の対立の振り出しに戻ってしまいます。

仲裁者が現れる?

 

いつまでたってもビットコインを純粋に利用するユーザーらからすれば、混乱したままです。そこで現れたのが「Digital Curency Group」の「バリー・シルバート」氏です。彼がここで両者にある提案をします。それが

 

Segwit2x です。

バリー・シルバート率いるDigital Currency Group(DCG)は23日、ニューヨークで開かれたConsensus 2017に合わせて、最大手マイナーBitmainを含む21カ国56社で合意しハードフォークを実行すると宣言した(Bitcoin Scaling Agreement at Consensus 2017)。

合意に至ったハードフォークの元になるのは、RSK LabsのSergio Demian Lernerにより3月31日にメーリングリストで提案された「Segwit2Mb」と呼ばれるアイデアだ。これは、Segwitがアクティベートに至れば、6ヶ月後にブロックサイズを2MBに拡張するコードを予め約束事としてソフトウェアに組み込むというもの。

 

つまり、【「Segwit」を実装しつつ、6ヶ月以内に「ハードフォーク」をすれば?】というものです。そうすると、「BTU(ハードフォーク派)」はバリー氏の提案を受け入れることを表明しました。

 

なぜ彼ら(BTU派)は賛成したのか

 

いろいろと物事を調べてみると、Segwit2xの考案(開発)者である一人が「ASIC BOOST」の考案者であることが発覚します。場合によっては、Unlimited派が再びASIC BOOSTを使い回しすることができるのではないかという懸念です。Bitcoinのコンセプトである「非中央集権」というところから脱却できないのでは、本来のビットコインがビットコインではなくなってしまう可能性もありえます。

 

懸念の内容とは

Core派の開発者がSegwit2xを問題視している理由は次の2つです。

 

1.ASIC BOOSTにおけるバグはSegwitのみで解決できる

2.Segwit2xの実装では問題を根本的に解決できない

 

この2点です。そして、これまでBitcoinのメンテナンスを実際に行ってきてくれたメンバーらを排除するような動きとみなされてしまってもおかしくはありません。

 

4.専門用語を加えながら理解する

 

それでは、おおよその流れをみてきたところで、この段落では、このBitcoin騒動における動向を専門用語をもう少し交えながら説明していきます。

 

BIP9

ソフトフォークの開発を効率的かつセキュアに行えるような方法の一つ。ブロックの中に「version bits」という情報を格納することで、意見を表明するもの。投票状況によってソフトフォークを有効化させることができる。BIP9では95%以上の賛同を必要としています。

 

 

BIP141(Segwit)

Segwitにおけるプロトコルの仕様。こちらについてはビットコインコミュニティで大多数の同意が得ているものとして解釈されていますが、投票がなかなか行われず、なおかつBIP9によって行われる提案であったために、95%以上の支持率を得ることができず、なかなかロックインされずにいました。

 

BIP148

これが俗にいうUASFで、なかなかロックイン(決定)しないがために、Segwitを強制的にアクティベートしようというものです。こちらについては「投票」ではなく、8月1日になったらアクティベートされます。また、BIP141の投票を行っていないブロックについては「無効」とするものです。しかしあくまで投票ではないため、ブロックチェーンが分岐してしまう可能性が高まりました。

 

BTC Cash / BitcoinABC

これまで、Segwitを実行しようと試みていたCore派ですが、それに対抗したBTU派がBTC Cash/BitcoinABCというUASFに対抗する形で提案を行いました。もともとはUASF(BIP148)がもしも発生した場合の12時間20分後に実行されるよう設定されていたものです。

 

NY合意(NewYork Agreement;NYA)

白熱してしまったUASFによって、Segwitとブロックサイズ2MBへの引き上げを実行するという合意。(先ほどのバリー氏の提案)

 

BIP91

NYAの結果として、UASFと同じことを投票形式で実行することとし、7月21日に投票をすることで80%以上の合意があれば、「有効」とみなされ、BIP141に投票していないブロックは不正なものとしてみなされる流れとなりました。

 

7月21日にBIP91がロックインへ

投票開始後にはすんなりBIP91が80%を獲得することで、無事にロックイン。しかし、なぜか一部のマイナーがBIP141のフラグをたてずにマイニングを実行しているため、7月23日にチェーンの分岐が発生してしまう可能性を指摘する者もいましたが、それはあくまでビサンチン将軍問題と同様に、51%以上が裏切り者でない限りは分岐は発生しません。

 

結局のところどうなるのか

 

8月1日に分岐は発生するのかという問題については、UAHF(BTC CASH)による分岐は起き得ます。しかし、それはあくまでビサンチンノードが51%存在していればという話です。もし、51%以上いるのであれば、恒久的に分岐してしまう可能性もありえます。

 

ビサンチンノードについては、「ビサンチン将軍問題」から命名されています。さらっとお伝えすると、次の通りです。

Generals Problem)とは、相互に通信しあう何らかのオブジェクト群において、通信および個々のオブジェクトが故障または故意によって偽の情報を伝達する可能性がある場合に、全体として正しい合意を形成できるかを問う問題である[1]

 

 

5.最後に

 

いかがでしたでしょうか。かなり専門用語や、時系列などを追って理解していくことが非常に難しく、またいつ変更や動向が変化するかはわかりません。ぜひみなさんもご自身で確認して情報を追って行ってみてくださいね!